スタッフブログ

願望が明確になると、幸せになる。

2022年10月16日

社長ブログ

一杯一杯だったあの頃

宇奈月温泉はいまだコロナの影響を受けており、観光需要は戻りきっていません。

旅館の経営も、まだまだ余談を許さない状況にあります。

しかし私はいま、幸せです。

以前の私は、いつもモヤモヤを抱えて生きていました。旅館を維持し続けることが私の使命だと思っていたので、日々の仕事を漫然とやり、ときどき起こるトラブルに振り回されていました。目の前にあるのは、やらなければならないことだらけ。それをこなすのに精一杯で、心の余裕はありませんでした。

そんな毎日を送っていると、つい大切なことをおざなりにしてしまいます。

例えば、お客様に喜んでいただくという気持ち。「100%喜んでいただこう!」ではなく、「そこそこ喜んでもらえればいいや」と妥協するのです。

ちょっとしたことでクレームがくると、すぐにカッカしたり、ここまでやってあげたのに...と思ったり。いろいろなことに対して「仕方ない」とあきらめていました。

笑顔のために生きている

そんな私が変わったのは、自分の「願望」に気づいたからです。

以前の私は、いったい何のために生きているのか分かりませんでした。

旅館を維持しようとは思っていましたが、それによってどうなりたいか、何を実現したいのかあいまいなため、いつもモヤモヤしていたのです。

本当はどうなりたいんだろう...。そのことを深く考えるようになりました。

そして出てきたのが、「すべての人と笑顔でいたい」という願望。その実現のために生きているのだと気づいたのです。

私はこの15年、宇奈月温泉の絶景を歩く「朝のさわやかお散歩」を開催し続けています。なぜ続けているのか。それは、笑顔が生まれるからです。お散歩中、お客様がにこっと笑った瞬間、得も言われぬ幸せに包まれます。これがたまらなくうれしい。だから続けています。

心の穴をふさぐ魔法の言葉

願望に気づいて以来、私は見栄を張ることがなくなりました。

旅館では、私も社員といっしょにお客様にお料理を出しています。以前は、知り合いが旅館に来ると、「社長の私が料理を出す姿なんて、みっともなくて見せられない」と思い、こそこそと隠れていました。

でも今は、すすんで料理を出しています。そして、知り合いにも笑顔になってもらえるよう、心を込めて接客しています。

私は笑顔のために生きている。

それがはっきりしたことによって、見栄を張る必要がなくなりました。

ありのままの私で、生きられるようになったのです。

私はいま、感謝、という価値観を大切に生きています。

感謝とは、良いことにもそうでないことにも「ありがとう」と言う気持ちです。お客様からクレームをいただいても、お叱りを受けても「ありがとう」とひとこと言うだけで、ネガティブな気持ちを引きずらずにすみます。心に空いた小さな穴を、「ありがとう」が埋めてくれます。

人のせいにしても、誰も幸せになれない

こんなふうに言っている私も、ネガティブな気持ちになることはあります。だからこそ、毎日自分にこう問いかけています。

「楽しい?」「なんか無理していない?」。

いまを幸せに生きているかどうか、見栄を張っていないか、セルフチェックしているのです。

不平、愚痴、不満...。世の中が不安定になると、こうしたネガティブな感情が出てきます。私も昔は、経営がうまくいかないことを先代社長である父のせいにしていました。

でも、他人のせいにしたところで、誰も幸せにはなれません。

自分は何のために生きているのか。その願望を見つけたとき、人は本当の意味で前向きになれます。私は、願望の明確化で、宇奈月温泉をもっと幸せにしたい。そう思っています。

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