「成功のカギ」とは
自分の機嫌は自分でとる
成功のカギは何?と聞かれたら、私はこう答えます。
「自分の機嫌は自分でとること」
以前の私は、すぐに〝爆発〟していました。カチンとくることを言われるとカッカし、人と言い争いをしてしまうのです。爆発すると自分でも後に引けなくなり、「言わなくてもいいことを言ってしまった...」と何度も後悔しました。
だから私は、いつも機嫌良くいるために、考え方を変えました。自分の機嫌が悪くなると、どうしてもカッカしてしまうからです。
具体的にしていることは、これです。
誰かからカチンとくることを言われると、「自分が間違っているかもしれない」と念仏のように唱える。
これだけのことですが、ケンカの種になるような売り言葉、買い言葉を言わなくてすみます。「あのとき、あれを言わなくて良かった〜」と胸をなでおろす。そんなことが増えました。
問いかけると答えが出る
どうしてこうした考え方ができるようになったのか。
それは、日々、こう自分に問いかけているからです。
「私は何を求めているのか」。
私が本当に求めているのは、笑顔です。お客様の喜ぶ顔を思い浮かべると、心から幸せになれます。
そのために、自分はいま何をしているか。それは自分が求めているものを手に入れるのに効果的か。そう問いかけると、答えが出てきます。
例えば、カチンときたとき、感情にまかせて反論すると、そのときは気分がすっきりするかもしれませんが、お客様を笑顔にすることにはまったくつながりません。
それよりも、自分が間違っているかもしれないと考え、ケンカの種になる言葉を言わないほうが、ずっとお客様の笑顔につながる。そう思うと、カッカする気持ちはどこかへ行ってしまいます。
わずらわしかったことが楽しさに変わった
私にとっての成功は、笑顔の中でみんなでいっしょに日々生きていくことです。特に、「こうすればお客様に喜んでいただける」ということを考え、社員やスタッフといっしょに実行していくことが何よりの楽しみです。
先日、バーベキューを楽しみにしていたグループのお客様が宿泊されましたが、あいにくの雨。それならと思い、室内バーベキューを企画しました。空いていた会議室を使い、外でのバーベキューと同じ道具をそろえ、楽しんでいただきました。
お客様からは「これ、お金とれますよ」と言っていただけるほど、大好評でした。
お子様連れのお客様には、料理をお出しする時間を調整することもあります。大人向けの料理は、お出しするタイミングがゆっくりなので、お子様を待たせてしまうことがあります。そんなときは、調理場と相談し、少し早めに料理をお出ししたり、大人向けの料理を少しだけお子様にお出ししたりしています。
これらは、ほんのちょっとしたことです。コストでいえば数百円。でも、お客様はとても喜んでくださいます。
以前は、こうしたちょっとしたご要望を叶えることを「わずらわしい」と思っていました。でも今は、それが逆に楽しみになっています。
やって楽しかったことを伝える
以前の私は、社員やスタッフに指示を出すことが多かったように思います。良かれと思ってやっていたのですが、指示を出せば出すほど、私の思いは伝わらないことも分かりました。
いま私は、社員やスタッフに、指示はなく、自分がやって楽しかったことを伝えたいと思っています。
新幹線の駅までお客様をお送りしたとき、お客様がホームからずっと手を振ってくださったこと、「朝のさわやかお散歩」であったうれしい出来事。
社長である私がまず仕事を楽しみ、それを分かち合っていくことが大切だと思っています。
私が思うマネジメントとは、社員やスタッフがお客様のためを思い、楽しみながら仕事ができる環境をつくることです。
人手不足だという面はありますが、コロナでスタッフが急きょ休んだときも、ちゃんと乗り切ることができました。
私たちはできる。
だから、もっと社員やスタッフが安心して働ける仕組みをつくり、もっとみんなを承認していきたい。
そう思っています。