健康への想い
お昼ごはんをつくる本当の理由
週2回、私が習慣化しているのが、社員のお昼ごはんを作ることです。
炒飯、カレー、ハヤシライス、ラーメンなど、簡単で野菜たっぷりのメニューを社員やアルバイトスタッフに食べてもらっています。
かれこれ1年半になるのですが、なぜ続けているのか。
それは、社員との間にコミュニケーションが生まれるからです。
「喜泉」にはいま、20名以上のスタッフがいます。50代以上のベテランもいれば、20代の若手もいます。
ベテランは私と年が近いのですが、若手は私の子どもたちと同じくらいの年齢層。はずかしい話ですが、「若い人と何を話したらいいのか分からない...」というのが本音なのです。
でも、ごはんを通じてなら会話できます。「おいしかった?」「次は何食べたい?」など、他愛のない会話ですが、コミュニケーションは取れます。私は社員たちとのそんな時間が、とてもうれしいんです。
ごはんが「協力」をつくってくれる
人の体は、食べたもので作られます。できるだけバランスのとれた食事をしてほしい。とにかく野菜をたくさんとってほしい。そんな思いでお昼ごはんを作っています。
ああでもない、こうでもない、と試行錯誤しながらごはんを作っているので、正直、味の保証はありません。妻からは、「味が薄い」など手厳しいフィードバックがありますが、あまんじて受け止めています。
でも、うれしいこともあります。調理場のスタッフが、味つけやメニューのアドバイスをくれるようになったのです。
例えば、人気メニューのひとつであるカレーうどん。日本酒を入れるのがコクのポイントだと聞いて、実際にやってみると、確かにおいしい。そんなふうに、調理場スタッフの協力をもらえるようになったことは、本当にありがたいです。
健康になると、利他になれる
お昼ごはんづくりとともに、私が継続しているのが、ジョギングです。
もともと三日坊主なので、以前の私だったら続かなかったかもしれません。でも、コロナになり、心のバランスが不安定になったとき、何かしなければと思って走り始めました。すると、気持ちが安定してきたんです。
「体力をつけると、心が整うんだ」。そう思います。
そんな私を見て何かを感じてくれたのか、今ではスタッフがいっしょに走ってくれるようになりました。最初は「明日やる」と言って先延ばしにしていたスタッフが、毎日走っているのを見ると、うれしくなります。
健康になり、心が整い、そして「人生の目的」が明確になるにつれて、私は「利他」という言葉の意味が分かってきたように思います。
以前は、何か大きな貢献をすることが利他だと思っていたため、なかなか人の役に立てないと思っていましたが、今は、ささいなことでも利他になる、と思っています。
幸せを温泉地の文化にしたい
そんなふうに考えるようになって、少しずつまわりが変わり始めています。私が一人で始めた「朝のさわやかお散歩」がいま、地域に広がり始めています。
また、11月26日の「1126(いい風呂)」にちなんで、富山大学のジャズ部が旅館で「お風呂でジャズ」を開催したものが、他大学にまで広がっています。
宇奈月温泉を元気にしたい。その想いに賛同してくれる仲間や協力者が、少しずつ増えているんです。
宇奈月温泉は観光地です。楽しみや幸せをご提供する場所です。だからこそ、そこで働く人たちが幸福感を感じることがまず重要。私は、この宇奈月温泉に、幸せ文化をつくりたい。
しんどいことも多々ありますが、その中にちらっとでも楽しいことがあれば、それが幸せなのだと思います。